コロナ禍でテレワークを導入する企業が増える中、法人営業の効果的な手法として「お問い合わせフォーム」へのアプローチが注目されております。入力・送信作業をソフトウェアで自動化するクラウドシステムです。
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問い合わせフォーム営業は迷惑
問い合わせフォーム営業、正直言って「勘弁してくれ」案件です
プロとして冷静に分析すれば、「リードジェネレーションの一環であり、特定のターゲットへのリーチを試みる手法」と言えるのでしょう。しかし、現場でWebサイトを運用し、実際に問い合わせフォーム経由でそれらのメッセージを受け取る立場からすると、もうはっきり言って「迷惑」の一言に尽きます。専門用語を交えつつ、このボヤキをぶちまけさせてください。
「コンバージョンパスの濫用」でしかない
問い合わせフォームは、本来、ユーザーが自社の製品やサービスに対して明確な興味を持ち、次のアクション(コンバージョン)へ進むための重要なコンバージョンパスです。つまり、購買意欲の高い、あるいは具体的な課題を持つ見込み客からのアプローチを期待して設置しているわけです。
ところが、営業メールがこのフォームを介して送られてくるということは、彼らがこの「ユーザー行動の意図」を完全に無視している、あるいは悪用しているに等しい。これは、我々が設定したカスタマージャーニーの終盤に位置する重要な接点を、一方的なプッシュ型マーケティングのために利用していることに他なりません。結果として、本当に重要な問い合わせが埋もれるリスクを高め、リードクオリフィケーションのプロセスを複雑化させるだけです。
受信トレイに届く問い合わせフォーム経由の営業メールは、我々のオペレーション効率を著しく低下させます。本来であれば、顧客からの質問、技術的なサポート要求、あるいは協業の打診といった、質の高いリードを迅速に識別し、対応すべきところを、不要なメッセージの選別作業に時間を割かなければならないのです。
これは、一種の「情報ノイズ」であり、本当に対応すべきメールを見落とすリスクさえ生じさせます。日々増加するトラフィックの中で、このノイズを排除する作業は、リソースの無駄遣いであり、ROI(投資対効果)を悪化させる要因にしかなりません。
「レピュテーションリスク」を理解していないのか?
極めて残念なことに、問い合わせフォームからの営業メールは、送信側のレピュテーション(評判)を自ら毀損している行為だと認識すべきです。受信者側からすれば、「一方的」「迷惑」「こちらの状況を顧みない」といったネガティブな印象しか残りません。
これは、自社のブランドイメージを低下させるだけでなく、将来的にその企業とのビジネス関係を構築する可能性すら潰しかねません。GDPRや特定電子メール法といった法規制の観点からも、たとえ直接的な違反でなくとも、その精神に反するアプローチは、企業の社会的責任として避けるべきだと強く感じます。
結局「スパムフィルター」との終わりなき戦い
こうした営業メールへの対策として、我々は日々スパムフィルターのチューニングや、ブラックリストの更新、さらにはCAPTCHAやハニーポットといった技術的な対策を講じざるを得ません。しかし、彼らもまた、そうしたフィルターをすり抜けるための手口を常に模索しており、まさに「終わりなきイタチごっこ」です。
これは、我々Web担当者が、本来時間を割くべきUX(ユーザーエクスペリエンス)改善やSEO戦略、コンテンツマーケティングといった、より本質的な業務から遠ざけられていることを意味します。もう、いい加減にしてほしい。問い合わせフォームからの営業アプローチは、送信側にとっては手軽なアウトバウンド施策かもしれませんが、受信側にとっては業務妨害であり、ブランド毀損のリスクを伴う、極めて非効率で迷惑な行為です。どうか、その意図と影響を再考していただきたいと切に願います。
電子音楽制作とウェブサイト制作(ホームページ制作) たまに楽器
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