無料ホームページから「ちょっと有料」になったとたんに安心する雰囲気がある。
そうなるとやはりコンテンツが疎かになる。
「無料から有料へ」で満足するな! プロから見たらそのステップはまだ序の口だぞ!
無料ホームページから有料サービスへ移行した事業者さんやWeb担当者さん、その一歩を踏み出したことは素晴らしいですし、その決断には拍手を送りたいと思います。確かに、見た目が少し洗練されて、使える機能も増えたように感じられるでしょう。でもね、専門家として、はっきりと言わせてもらいます。そこで満足してはいけません!
「ちょっと有料」のホームページは、あくまでスタートライン。そこで胡座をかいてしまうと、Webサイトが持つ真の可能性を、みすみす逃していることに気づいていない。むしろ、その程度の投資で「やったつもり」になってしまう方が、私は心配なんです。
無料のサービスから「月額数百円〜数千円」程度の有料プランに移行したとしましょう。多くの場合、これは「Jimdo」や「Wix」といったサイトビルダーの有料プランだったり、WordPressのレンタルサーバーとテーマを契約しただけの状態だったりします。
確かに、広告が消えたり、独自ドメインが使えるようになったり、基本的なSEO設定ができたりと、無料版よりは格段に「マシ」になります。しかし、ここで誤解してはいけないのは、その「有料」が、本当にビジネス成長に必要な「コントロールと拡張性」を提供しているか、という点です。
例えば、サイトビルダー系サービスの場合、結局は彼らが提供する「閉じたエコシステム」の中でしか機能しません。デザインや機能のカスタマイズには限界があり、本当に必要になった時に外部のツールやAPIと連携しようとしても、「できません」で終了となることがほとんどです。
WordPressにしても、ただインストールして無料テーマや最低限のプラグインを入れただけでは、その真価は発揮されません。テーマファイルのカスタマイズ、プラグイン同士の競合回避、パフォーマンスチューニング、セキュリティ対策…これら全てに目を配り、適切にインテグレーションしていくことが求められます。
「ちょっと有料」で満足しているうちは、まだWebサイトを「名刺代わり」としか捉えていない証拠。ビジネスの成長に本当に寄与する「マーケティングプラットフォーム」としてのWebサイトには、程遠いのが現状です。
独自ドメインを取得し、見た目が多少良くなったとしても、それだけでお問い合わせや売上が劇的に増えるわけではありません。ホームページは、「ただ存在するだけ」では何の価値も生みません。
「ウェブサイトを作ったから、あとは待つだけ」という思考は、完全に受動的です。私たちは、Webサイトを単なる情報掲示板ではなく、明確なビジネスゴール達成のための「戦略的なツール」として捉えるべきです。
リードジェネレーションのために、ユーザーが迷わず問い合わせや資料請求に進めるようなコンバージョンパスが設計されていますか?
検索エンジンから見込み客を呼び込むためのSEO戦略は練られていますか?
ユーザーがサイト内で迷子にならないためのUX(ユーザーエクスペリエンス)は最適化されていますか?
サイトを訪れたユーザーの行動を分析するためのアナリティクス設定は完璧ですか?
「ちょっと有料」にしただけで満足していると、これらの重要な施策が手つかずになりがちです。結局、お金を払っているのに、何の成果も生まない「張りぼての家」になりかねません。
ホームページは作って終わりではありません。むしろ、そこからが本番の「運用フェーズ」です。
アクセス解析データを基にしたサイト改善(PDCAサイクル)、新しいコンテンツの継続的な追加(コンテンツマーケティング)、セキュリティの脆弱性対応、PHPやWordPressコアのバージョンアップに伴う互換性チェック…これらは、Webサイトを健康に保ち、成長させるために不可欠な作業です。
「ちょっと有料」にしたことで、「これで大丈夫」と安心してしまい、これらの運用がおろそかになっているケースをよく見かけます。結果として、サイトは次第に陳腐化し、セキュリティリスクに晒され、やがては「費用を払っているのに、何の役にも立たない」という状態に陥ってしまいます。
喝!その「ちょっと有料」で満足するな!
無料から有料へ踏み出したことは評価しますが、それはスタートラインに立っただけです。
Webサイトは、あなたのビジネスを成長させるための強力な武器になり得ます。そのためには、単に「お金を払った」という事実で満足するのではなく、そのツールをどう使いこなし、どう育てていくかという、より深く、戦略的な視点を持つべきです。
「ちょっと有料」のその先に広がる、Webマーケティングの奥深い世界へ。そこへの探究心と投資意欲こそが、あなたのビジネスを次のステージへと押し上げる鍵なのです。さあ、そこで立ち止まっている暇はありませんよ!
電子音楽制作とウェブサイト制作(ホームページ制作) たまに楽器
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