・ドメインの期限が切れている場合
・ドメインの期限が7日以内に切れる場合
・移管元ドメイン登録業者でドメイン登録を行ってから60日以上経過していない場合
ドメイン移管ができない!その失敗、実は「時間」のルールに縛られています
「契約しているサーバーを変えるついでに、ドメインの管理も新しい会社に移したい」 「今の管理会社の更新費用が高いから、安い会社へ引っ越したい」
ホームページ(ウェブサイト)を長く運営していれば、ドメインの移管(トランスファー)を検討するタイミングは必ず訪れます。ドメインの管理とサーバーの管理を同じ会社にまとめることで、請求書が一本化され、管理コストが下がるメリットは非常に大きいです。
しかし、いざ移管手続きを始めてみると、「移管に失敗しました」「申請が拒否されました」という無機質なエラーメールが届き、パニックになる担当者様が後を絶ちません。
ドメインは、インターネット上の「住所」そのものです。移管に失敗してドメインが宙に浮いてしまったり、最悪の場合失効してしまったりすれば、ホームページが見られなくなるだけでなく、会社のアドレスを使ったメールも一切届かなくなります。これは事業にとって、通信インフラが遮断されるのと同じ緊急事態です。
実は、ドメイン移管の失敗原因の多くは、技術的なミスではなく、「タイミング(時期)」のルール違反によるものです。
今回は、特にご相談の多い「期限切れ」「期限直前」「登録直後」という3つの時間的制約について、なぜ移管できないのか、その裏側にある国際的なルールと、プロが実践する回避策について詳しく解説します。
ドメインの期限が切れている場合は「蘇生」が先決です
まず、最も深刻なケースからお話しします。「うっかり更新を忘れていて有効期限が切れてしまった。ちょうどいい機会だから、このまま新しい管理会社に移管して復活させよう」というパターンです。
結論から申し上げますと、これは不可能です。
ドメインの移管は、あくまで「生きているドメイン」を、別の管理人の元へ移動させる手続きです。期限が切れたドメインは、技術的には「停止状態」あるいは「廃止待ち状態」にあり、移動させる権利そのものが凍結されています。
期限切れのドメインを他社へ移管しようと申請しても、現在の管理会社(レジストラ)は100%拒否します。
この状態でやるべきことは一つしかありません。現在の管理会社で、速やかに更新手続きを行い、ドメインを「蘇生」させることです。
ここで注意が必要なのは、期限切れからの経過日数です。 通常の更新期間(猶予期間)を過ぎてしまっている場合、「復旧手数料(Redemption Fee)」と呼ばれる高額な費用が発生することがあります。通常の更新費が数千円だとしても、復旧には数万円かかるケースも珍しくありません。
「そんなに高いなら払いたくない」と思われるかもしれませんが、そのドメインを失えば、長年積み上げたSEOの評価も、印刷した名刺のURLも、顧客とのメールのやり取りもすべて失います。ここは授業料だと思ってコストを支払い、まずはドメインを正常な状態に戻してください。移管を考えるのは、その後です。
期限まで「残り7日」を切っている時の移管はギャンブルです
次によくあるのが、「来週でドメインが切れるから、急いで他社に移管して更新しよう」という駆け込み移管です。
これも、Webのプロとしては絶対に推奨しません。非常に危険な行為です。
ドメインの移管手続きは、申し込みをしてすぐに完了するものではありません。 新しい管理会社への申請、現在の管理会社の承認、承認メールのクリック、そしてデータベースの書き換え。これらがすべて完了するまでに、スムーズにいっても数日、長いと1週間から2週間程度かかります。
もし、移管手続きの途中でドメインの有効期限(Xデー)が来てしまったらどうなるでしょうか。
手続きは中断され、ドメインは期限切れとなり、ホームページ(ウェブサイト)は閲覧不能になります。そして、先ほど説明した「期限切れ」の状態になるため、移管は失敗に終わります。
多くのドメイン管理会社(レジストラ)は、「有効期限の7日前〜10日前」になると、移管申請を受け付けない、あるいは承認しないという独自ルールを設けています。これはトラブルを防ぐための安全装置です。
もし有効期限が1ヶ月を切っているなら、無理に移管しようとせず、一度現在の管理会社で更新を行ってください。
「今の会社で更新すると費用が高いから移管したいのに」という気持ちはわかります。しかし、更新料の数千円を惜しんで、移管失敗によるサイトダウンやメール不通のリスクを負うのは、事業判断として割に合いません。まずは現在の場所で1年分更新し、期間に余裕を持ってからじっくりと移管作業を行うのが、最も安全なルートです。
登録・移管から「60日」は動かせない国際ルール
3つ目の壁は、「新しくドメインを取ったけれど、やっぱり別の会社で管理したい」「移管したばかりだけど、また別の会社に移したい」というケースです。
ここに、「60日ルール(60-day Lock)」という鉄の掟が存在します。
これは、ドメインを新規登録してから60日間、あるいは一度移管を行ってから60日間は、次の移管を行うことができないという制限です。
このルールは、特定の管理会社が意地悪をしているわけではありません。ドメインの元締めである国際機関「ICANN(アイキャン)」によって定められた、世界共通のセキュリティポリシーです。
かつて、ドメインの乗っ取り(ハイジャック)が横行した時代がありました。不正にドメインを登録したり、勝手に移管したりして、短期間に次々と管理会社を移動させることで追跡を逃れる手口です。これを防ぐために、一度登録・移動したドメインは、冷却期間として約2ヶ月間ロックされる仕組みになったのです。
この期間中は、どんなに急いでいても、どれだけ追加料金を払っても、移管することはできません。
Webサイト制作の現場でも、このトラブルは時々起こります。 「クライアントが自分でドメインを取ったが、制作会社のサーバーに移管して管理してほしいと言われた。しかし登録したばかりで60日間移管できず、公開スケジュールが遅れた」といった事例です。
この場合は、移管ができるようになるまでの60日間、ドメインの「ネームサーバー情報(DNS)」だけを書き換えて運用するという回避策をとります。管理場所は元の会社のままで、ホームページ(ウェブサイト)のデータだけ新しいサーバーに向けるのです。そして60日が経過した時点で、正式に移管手続きを行います。
その他にもある移管失敗の落とし穴
「期限」以外にも、ドメイン移管を阻む要因はいくつかあります。これらも合わせて確認しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
認証コード(AuthCode)の間違い
ドメイン移管には、必ず「AuthCode(オースコード)」と呼ばれるパスワードが必要です。これは現在の管理画面から発行できます。このコードが間違っていると、移管は即座に失敗します。アルファベットの「O(オー)」と数字の「0(ゼロ)」の見間違いや、コピペ時のスペース混入などに注意が必要です。
WHOIS情報公開代行の設定
個人のプライバシーを守るために、ドメインの持ち主情報を管理会社の名義にする「WHOIS情報公開代行」という機能があります。 移管申請を行う際、この設定が「ON」になったままだと、移管の承認メールが自分に届かず、管理会社に行ってしまい、手続きが進まないことがあります。 最近は自動的に解除してくれる会社も増えましたが、基本的には「移管申請前に、WHOIS代行を解除し、自分のメールアドレスを登録しておく」ことが鉄則です。
レジストラリーロック(トランスファーロック)
現在の管理画面で、「ドメインロック」「移管ロック」といった設定がオンになっていないか確認してください。これは不正移管を防ぐための機能ですが、自分が移管したい時にも邪魔をします。必ずオフにしてから申請を行います。
ドメインは「資産」として丁重に扱う
ドメイン移管は、単なる事務手続きではありません。インターネット上の資産を移動させる、非常にデリケートな作業です。
私たちがクライアントのドメイン移管を代行する場合、必ず以下のステップを踏みます。
有効期限の確認:残り期間が3ヶ月以上あるか。
ステータスの確認:登録から60日以上経過しているか、ロックはかかっていないか。
バックアップ:万が一メールが止まっても良いように、事前の周知とデータの退避。
スケジューリング:土日や祝日を挟まないよう、平日の週初めに申請を行う。
特に「期限切れ」や「期限直前」での移管は、百害あって一利なしです。
ホームページ(ウェブサイト)が安定して稼働していることは、事業の信頼そのものです。数千円のコスト削減のために、その信頼を危険に晒してはいけません。
もし、ご自身のドメインの期限や状態がよくわからない、移管したいけれど失敗するのが怖いという場合は、無理に自分で操作せず、私たちのような専門家にご相談ください。
ドメインの専門知識を持ったエンジニアが、現在の状況を正確に診断し、最もリスクの少ない移管スケジュールと手順をご提案します。安全で確実な移管を行い、すっきりとした環境でWeb運営を続けていきましょう。
電子音楽制作とウェブサイト制作(ホームページ制作) たまに楽器
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